はじめに:なぜ「韓国古着 × レディース」は魅力か
日本国内で「韓国ファッション」は根強い人気があります。K-POP、韓国ドラマ、韓国コスメなどと連動して、ファッションへの注目も高まり続けています。古着という切り口で“トレンド感”+“一点もの”という価値を打ち出せれば、他のレディース古着店との差別化につながります。
また、古着市場・リユース市場の拡大も追い風です。サステナビリティを意識する消費者層が増えており、新品だけでない選択肢を求める動きがあります。
ただ、一方で「古着=品質に不安」「サイズ感・ダメージ表記の曖昧さ」などのハードルもあります。これらをクリアできれば、信頼を得て継続的に売れるショップになります。
ステップ1:事前準備と方針づくり
ネットショップを開く前に、以下の項目をできるだけ固めておきましょう。
ターゲットを明確にする
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年齢層:10代、20〜30代、30〜40代など
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スタイル傾向:ストリート/カジュアル/フェミニン/ミニマル/モード系 など
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価格帯:低価格帯(1,000〜4,000円)〜中価格帯(5,000〜15,000円)〜高価格帯
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付加価値:一点もの、ブランドもの、ヴィンテージ風、リメイクアクセントあり、など
このあたりがブレると在庫選定や表現(写真・説明文)でブレが出やすくなります。
仕入れチャネルの確保
韓国古着を扱うなら、仕入れルートは生命線です。主な手法としては:
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韓国現地買い付け(ソウル・釜山などの古着市場/卸売市場)
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韓国古着卸サイトや買付代行業者を利用(例:韓国古着卸売サイト Star など) 韓国古着の卸売専門サイトStar+1
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日本国内・他国から流通している輸入中古衣料を活用
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コラボ・委託出品(韓国の個人セラーやブランドと提携して委託販売)
特に現地買い付けはコストや言語・物流リスクが付きまとうため、最初は代行業者を使ってリスクを抑えながら慣れていく方法も有効です。
例として、韓国古着卸サイト「Star」は、5万円から買付可能で、代行料や送料も含めて提案してくれる体制を持っているとのことです。韓国古着の卸売専門サイトStar
また、古着卸専門会社や複数サプライヤーとの接点を持っておくことが、供給の安定性を確保する鍵になります。株式会社韓国古着の5WINS公式HP+1
在庫戦略:実在庫 / 仮在庫(受注発注)
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実在庫方式:手元に商品を持ち、即日発送できる在庫を準備
→ 顧客に安心感を与えやすいが、在庫リスク・倉庫コストが増える -
仮在庫(受注発注)方式:顧客から注文を受けてから仕入れ/調達
→ 在庫リスクは低いが発送まで時間がかかるため、「発送目安」や「取り置き可能性」などを明示して信頼を担保する必要
最初は小ロットでテストし、売れ筋を見ながら実在庫比率を増やすのが無難です。
ブランド・アイテムの方向付け
「韓国古着」と一括りにしても、ブランド古着、ストリートブランド、無地シンプル、柄アイテム、レトロなアイテムなど様々です。自分の強み・好み・差別化点をもとに、テーマやジャンルを絞って認知を作っていくとブランディングがしやすくなります。
例:このようなブランドを扱う韓国古着店もあります:thisisneverthat、Mardi Mercredi、Matin Kim、COVERNAT など。GOODFLAT-KOREA-
法務・税務の確認
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古物商許可:古着を扱う場合、古物商許可が必要になる可能性が高いので、各都道府県警察署で古物営業法を確認
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輸入関税・消費税:輸入扱いとなる場合、日本の関税・消費税対応、通関業者との契約、インボイス等
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商品表示義務:素材、洗濯表示、原産国表記、サイズ・実寸、状態(傷・汚れ等)などを正しく記載
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特定商取引法:事業者名、所在地、連絡先、支払方法、返品条件、発送時期などの表記
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個人情報保護法・プライバシーポリシー:顧客情報を扱う上での宣言
運営を始めてトラブルになることを防ぐため、できれば開業前に専門家(税理士、行政書士など)に一度相談しておくと安心です。
ステップ2:WordPress + WooCommerce 構築のポイント
WordPress(+WooCommerce などのプラグイン)で始める場合、以下点に注意してください。
テーマ・デザイン選定
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古着という商品の特性上、「商品写真を目立たせる」「一覧性・見やすさ」を重視
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Shopify 風のミニマルデザインや、韓国雑誌風のトーン(シンプルで余白を活かしたレイアウト)が相性良し
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モバイルファースト設計:スマホ比率が高いため、スマホ表示も必ず確認
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カテゴリ/フィルタ機能:サイズ、ブランド、状態、色、価格帯などで絞れるように
無料テーマでも WooCommerce 対応のものが多いですが、最初は有料テーマ(例えば Astra、GeneratePress、Flatsome、OceanWP系など)を使うとカスタマイズ性・拡張性で楽になります。
プラグイン構成(最低限揃えたいもの)
用途 | 推奨プラグイン | 解説 |
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EC 基盤 | WooCommerce | WordPress の定番 EC プラグイン |
決済 | Stripe 決済、PayPal、コンビニ決済(例:日本向け決済プラグイン) | 韓国本国決済だけでなく、日本ユーザーが使いやすい決済手段を必ず導入 |
配送 / 発送 | WooCommerce Shipping Japan、EMS 連携プラグイン | 発送オプションを複数持たせやすくする |
SEO | Yoast SEO、Rank Math | 検索流入を伸ばすため |
画像最適化 | Smush、EWWW Image Optimizer | 画像読み込み速度軽減のため |
キャッシュ / パフォーマンス | WP Super Cache、W3 Total Cache、LiteSpeed Cache | サイト表示速度を維持するため |
セキュリティ | Wordfence、iThemes Security | 不正アクセスを防止 |
バックアップ | UpdraftPlus、BackWPup | 万が一に備えるため |
メールマーケティング | MailPoet、Mailchimp for WooCommerce | 顧客へのメルマガ・フォローアップに活用 |
レビュー / 評価 | WP Product Review、YITH WooCommerce Review | 商品レビューを集めて信頼性を高める |
商品登録・商品ページの最適化
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タイトル/キャッチコピー:ブランド名+アイテム名+特徴(例:Mardi Mercredi ボウタイ ブラウス 韓国古着)
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実寸サイズの記載:肩幅、バスト、着丈、袖丈、裾幅などは必ず入れる
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状態説明:使用感、傷・シミ・ほつれなどがあれば詳細に記載
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写真枚数:最低 4〜5枚、できれば上下・前後・拡大・生地質感ショットを含める
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モデル着用写真:あれば安心感・サイズイメージを伝えられる
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タグ・カテゴリ・属性付与:ブランド/サイズ/色/テイスト/状態 などの属性を整備
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関連商品表示:「この商品を見た人はこちらも」「コーディネート提案」など
発送設定・送料設計
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国内発送か、韓国から直送か、混合方式かを決める
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送料体系:全国一律、地域別、重量別、購入金額以上で送料無料など
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国際配送対応:海外販売を考えるなら EMS 等の設定を行う
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配送追跡機能:荷物追跡できる体制を整えて安心感を提供
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発送目安の明記:例「5営業日以内発送」「受注後7〜14日」など
決済導入
日本ユーザー向けには、クレジットカード、コンビニ支払い、銀行振込、後払い決済(NP後払い等)を導入すると購入ハードルを下げられます。
韓国からの越境EC形式をとるなら、通貨換算・外国決済手段も検討が必要ですが、日本決済手段を優先して整えることがカスタマー獲得に有利です。
多言語対応(任意)
将来的に日本の他に海外にも販売を広げたいなら、WordPress 多言語化(例:WPML、Polylang)を導入して、英語/韓国語対応を用意しておくと拡張性が高まります。
ステップ3:運営・集客・マーケティング戦略
ただサイトを立ち上げただけでは売れません。以下は、長期的に売上を伸ばすための戦略です。
ブランディング+世界観設計
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コンセプトを明確に:「韓国古着 × レディス」において、あなたのお店独自の世界観(ミニマル・レトロ・ストリート・ガーリーなど)を打ち出す
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ブランドロゴ・ショップカラー・アイコン・フォントの整備
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SNS・ビジュアル統一:Instagram、TikTok、Pinterest 等で統一したビジュアル発信
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ストーリー発信:仕入れの背景、買い付けエピソード、商品の由来、韓国の街の風景などを交えて“物語性”を出す
コンテンツマーケティング・SEO対策
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ブログ記事投稿:韓国ファッショントレンド、コーディネート提案、古着の手入れ法、サイズ感ガイドなど
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SEOキーワードを意識:例「韓国古着 レディース 通販」「韓国古着 買い付け 方法」など
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内部リンクを充実させる:商品ページ → 関連ブログ → 関連商品への導線
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外部リンク/被リンクの獲得:ファッションメディア・インフルエンサー紹介・コラボ投稿など
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SNSとブログ連携:Instagram 投稿 → ブログ記事誘導 → 商品誘導という流れをつくる
SNS活用・UGC(ユーザー生成コンテンツ)
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Instagram/Reels/TikTok:コーデ動画、着まわし術、ショップ紹介など
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ハッシュタグ戦略:#韓国古着 #レディース古着 #Kfashion #ヴィンテージ風 など
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フォトコンテスト・コーデ投稿募集:購入者にタグ投稿をしてもらいUGCを増やす
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インフルエンサータイアップ:韓国ファッション好きのインフルエンサーに商品提供やレビューを依頼
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ストーリーズ・ライブ配信:商品のライブ紹介、着用レビュー、リアルタイム質問対応
メールマーケティング / リターゲティング
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新規顧客にはウェルカムメールを送付
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カート放棄フォロー:未決済顧客にリマインダーを送る
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再購入誘導:購入後一定期間経過した顧客にクーポン・おすすめ商品を案内
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セール/新作案内メール:定期的に配信
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リターゲティング広告:Google 広告/Facebook 広告でサイト訪問者に広告を出す
キャンペーン・特典設計
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送料無料キャンペーン:一定金額以上購入で送料無料
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割引クーポン:会員登録時・初回購入時・誕生日特典など
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限定商品・コラボ企画:数量限定で希少性を出す
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ポイント制度:購入金額に応じてポイント還元
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セット割引・コーデセット販売:トップス+ボトムなど複数点まとめ割引
顧客対応と信頼構築
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問い合わせ窓口を明確に:メール、チャット、LINE など
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レスポンス速度を重視:24時間以内対応目標
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商品返品・交換ポリシーを明確に記載
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レビュー制度を導入:購入者にレビューをお願いする仕組み
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梱包品質にもこだわる:ショップタグ、メッセージカード、包装材などでブランディングを感じさせる
ステップ4:運用・改善・成長のフェーズ
ショップを軌道に乗せるためには、以下のような改善サイクルを回していくことが大切です。
データ分析と KPI 設定
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Google Analytics / WooCommerce の売上分析
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主要指標(KPI)例:
– 月間売上
- 客単価
- 購入率(コンバージョン率)
- リピート率
- カート放棄率
- SNS流入数・広告流入数 -
各指標をもとに、改善施策を週次・月次で実行
売れ筋商品の拡充
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データから「よく売れた商品ジャンル、ブランド、色、サイズ」を抽出
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それを元に仕入れ比率を見直す
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在庫回転率を意識して、長期売れ残り在庫を処分するセールや特価対応
在庫リスク・余裕資金の管理
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仕入れ資金の余裕率を確保(初期段階で全資金を突っ込まない)
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不良在庫対策:返品商品リペア、セール、委託販売、チャリティ募金など活用
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倉庫管理・在庫管理システム導入(例:WooCommerce の在庫管理プラグイン、外部 WMS 連携など)
拡張戦略
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レディス以外のカテゴリ展開(アクセサリー、小物、韓国ブランド新品併売など)
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海外販売(英語サイト展開、国際配送対応)
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実店舗・ポップアップ展開:リアルな接点を持つことでブランド認知を増やす
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OEM / 別注商品制作:ショップ別注アイテムを制作して付加価値を出す
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コラボ企画:他ショップ、インフルエンサー、デザイナーとのコラボ商品展開
よくある課題とその対策
課題 | 対策・対応 |
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在庫不足・仕入れ偏り | 複数仕入先を持つ、予備仕入れを持つ、受注発注と実在庫のバランスを取る |
購入率が低い / カート放棄が多い | 決済手段を増やす、送料を見直す、購入導線を簡潔にする、カート放棄メール配信 |
顧客の信用を得られない | レビュー表示、写真の透明性、問い合わせ対応強化、返品制度整備 |
配送トラブル・破損 | 梱包強化、保険対応、配送会社選定見直し、追跡番号対応 |
長期在庫が残る | セール処分、まとめ割引、SNSで特集、他チャネル(フリマ・委託)展開 |
実践例・参考ケース
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GOODFLAT-KOREA‑(韓国古着オンラインショップ)は、洗練されたブティック風の空間演出とポップアップ展開でメディア露出を重ねています。GOODFLAT-KOREA-+1
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韓国古着卸サイト Star は、5万円からの少額仕入れ対応・代行付きという形で個人バイヤーを支えるモデルを持っています。韓国古着の卸売専門サイトStar+1
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EC業界では、韓国発ファッション通販「HOTPING」が、サイズ展開・現地ECノウハウ・日本決済導入などで成功事例とされています。ECのミカタ
これらを参考にしながらも、自分の強み(例えばビジュアルのこだわり、特定ブランド強化、速い発送対応力など)を打ち出すことが成功への鍵です。
まとめ:成功の鍵と心構え
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仕入れルートと在庫戦略は慎重に設計すること
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サイト設計・商品登録で顧客視点を徹底すること
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集客導線(SNS/SEO/メール/広告)を複合的に運用すること
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信頼構築(レビュー・対応速度・透明性)を最優先すること
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データ分析・改善サイクルを継続し、売れ筋を育てること
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無理のない成長ペースでスモールスタート→拡張を目指すこと